現在WiMAXを利用されている方およびWiMAX2+を利用しようと企んでいる方に注意警戒ということで。
私的な前提条件ですが、現状住んでるところが
- 電話局と自宅間に私鉄が走っててADSLがノイズ的に壊滅状態
- 穴開ける必要はないけど大家が「よくわからないからダメ」ってことで光断念
- インターネット無いと色々と死ぬる病&業種
1:WiMAXの上位規格、WiMAX2+への移行促進
今まで存在していた定額制で通信量制限のないWiMAX(下り最大21Mbps)に加え、新たにWiMAX2+(下り最大110Mbps)という商品が登場。更にWiMAXに割り当てている電波の半分以上をWiMAX2+へ割当移行することで、最大220Mbpsを目指そうとしています(既にサービスインしている地域あり。都市部への展開はもっと後の予定)。WiMAX2+へ周波数を再割り当てした分、WiMAXは最大約10Mbpsへの速度低下が見込まれており、MNOのUQ社をはじめとしてMVNO各社においては「WiMAXからWiMAX2+への移行キャンペーン」を現在も盛大に行なっています。
元々「定額制・通信量制限なし」という状況下で使うことを優先しているので速度はあまり気にはしていなかったのですが、さすがに電波割当で半分に速度が落ちるのはちょっと厳しいこと(落ちる前の段階で大体下り5Mbps程度)と、縮小するサービスにしがみついている意味も特にありませんでした。
そのため、利用プロバイダ(So-net)から届いたDMに移行告知があり1月中に申し込みをすると割引等の特典がつくことからWiMAX2+に申し込み、2月初旬に機種変更しました。
2:WiMAX2+への移行直後は快適に利用
2月から5月までは特に問題なく利用していました。ダウンリンクは大体30Mbps〜50Mbps程度とまずまずで、アップリンクもWiMAXでは1M程度だったものが5〜10Mbpsまで出るようになっていましたので、非常に使い勝手は良かったです。ですが、5月末頃になって状況は一変します。
3:通信速度規制(3日間3GB)の開始
6月1日だったか5月31日だったか記憶があやふやですが、とにかく速度が落ちるようになりました。ここで以下のことに気が付きます。
- アップもダウンもブレなくぴったり1Mbps(=レートコントロール臭)。
- 5月下旬にオーサリング済みDVDのイメージをアップロード納品した(約4GB)。
- 当初から「春から通信量制限があるかも」というのは薄々聞いていた。
1Mbpsですと、500MBを通信するのに大体1時間半(計算上の理論値)。30Mbps出てると大体2分程度なので大きく違ってきます。
例えばYouTubeの動画ならばSD画質は大丈夫ですがHD画質だと止まって見てられない程度になります。
さらにLAN内にマシンが複数ある状態ですので、別のマシンが通信中はドメインすら引けないマシンが出てくるような状況になります。能動的な通信は排除することはできますが、例えばアンチウィルスソフトの更新のような「自動的な通信」はいちいち止めにいけず(理論的には可能だが運用上は面倒なことこの上なし)、こうなると不定期に通信エラーが出ることになります。
4:2週間以上続く規制ラッシュ
not 帰省ラッシュ。3の項目でも書きましたが、500MBで1時間半ということは仮に1日3時間送受信していると計算上は1GB/日となりますので、以降この規制が連鎖してしまいいつまで経っても規制解除には到達できません。
問題となるのは、DropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージをチーム利用している場合。メンバーの誰かがファイルをアップすれば必然的に同期が走り、自分の操作をしていなくてもその分の通信が発生します。3日間同期を回避したとしても、規制解除後に大量のデータが入ってくればまた新たに3日間の規制が始まります。
これでは作業も進みません。
5:So-netへ問い合わせるも埒が明かない
こんな状況ではもうどうしようもないので、契約MVNO先であるSo-netのサポートデスクへ「どれだけの通信量が発生しているのか」「本当に規制中か」を問い合わせました。が、驚くべきことに「通信量も規制中かどうかもSo-netでは判らない」という回答。
確かにMVNOですから足回り回線のことは判らないかもしれません。が、サービス提供しているのはSo-netです。UQ社に問い合わせたところで「So-netに聞いて」となります(一応つぶしを利かすために問い合わせたところ、当然ながら実際にそういう回答でした)。
ところでWiMAX2+の契約自体には「ノーリミットモード」という、「WiMAX規格での通信もできる(3日間3GBの制約を受けない)」モードが存在します。が、私が機種変更したのはHuawei社のSPEED NEXT W01。これはWiMAX規格の通信ができません(=ノーリミットモード使用不可)。
そこで更に問い合わせますが、結果としては以下のとおり(説明文は省略、意訳)。
- 機種変更は不可。
- 古いWiMAX機材を追加することも不可。
- 通信量も規制中かも判別できない。
- 嫌なら解約してくれ(違約金2万円弱)。
UQ社と直の契約だと前日までの通信量を確認することができるのですが、So-netは判らないらしいです(他のMVNO様までそうかは判りません)。
いやー、これはまいった。八方ふさがり。
そして出るわ出るわのネガティブ情報。
ここまで来るとだいぶ詐欺を食らったような感覚になってきました。
6:現状の回避策
嘆いていてばかりでも結局しょうがないので、古いWiMAXの機材を使用し別のMVNO様と1Day契約を3日間行ない、通信量が多くなりそうなメインマシンのDefault GWをそちらに振ることでなんとかオフロードに成功し、15日ぶりに規制解除になりました。が、その数日後にAdobe Creative Cloudソフトウェア群が2015にバージョンアップしたため大量のダウンロードが必要となり、更にはWindows Updateなどのダウンロードもあり、また規制に入りました。
そのため再度1Day×3の契約などもしましたが、結局1ヶ月単位でWiMAX規格でも契約をすることにしました。LAN内にWiMAXとWiMAX2+のルータを設置して、ちょうどDHCPで各ノードを管理しているので、Default GatewayをDHCPサーバの設定だけで変更できるようにしました。
WiMAX2+の宣伝もひどい
このように、OSのアップデートや常態的な通信が発生する環境においてはWiMAX2+の利用は致命的な状態にあると考えます。しかし、UQ社を始めとして各MVNOにおいても「家でも外でも通信量を気にせずインターネット」とか「ADSL回線などの代わりに」といった宣伝文句が踊ります。
- UQ WiMAX 「固定回線からの切り替え」
- UQ WiMAX 「追加料金無しで高速通信が使い放題」
- So-net 「月間データ量制限なし」「家でも外でもデータ量を気にせず」「動画をよく見る方もOK」
さらにはOSやアプリケーションのアップデートなんかをすれば100MB〜300MBぐらいはすぐに行きますから、その度に時間単位で待たされます。これでは最悪の秘技「遅いからキャンセル」が横行し、セキュリティ的にもかなりヤバいことになります。
一応、上記のような状況ですのでこれは危険と判断し、総務省には通報をしておきました。何らかの対応がなされるといいんですが…。